協働、協育そして協創のまちづくり
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平成23年度統一地方選挙吹田市長選挙の検証

平成23年度統一地方選挙吹田市長選挙の検証

【市長選挙を終えて】
 平成23年(2011年)4月24日に執行されました吹田市長選挙は、残念ながら落選となりました。公職選挙法の定めによりお礼を申し上げることができませんので、感謝の気持ちを込めてご報告させていただきます。
 今回の選挙では4万5881票ものご支持をいただきましたが、皆様のお気持ちにこたえる結果が出せず、大変申し訳なく思っています。
 多くの皆様に支えていただいたことを忘れず精進してまいりますので、今後もご指導ご鞭撻、そしてご支援を賜わりますよう、よろしくお願い申し上げます。
  平成23年(2011年)4月25日
阪口善雄
1. はじめに
 阪口市長候補は吹田市選出府会議員を3期務め、平成10年4月市長選に立候補、当を果たした。爾来3期、12年間吹田市政に高い理想に燃え着実に実績を残し、高い評価を受けるに至る。
 阪口善雄氏は、吹田市で生まれ、吹田で育ちました。団塊の世代で戦後の高度成長を支えた中心世代で、彼が育った吹田市春日は農業中心の牧歌的な自然豊かなのどかな環境で多感な少年時代を過ごしました。青年期には高度成長の最盛期、東京オリンピックの開催、新幹線の開通、その6年後には吹田市で万国博覧会が開催されるに至る。その時期に大学を卒業し吹田市役所に奉職、吹田市の市民の幸せに係わる仕事の始まりでした。大阪府の府議会議員を務める父の影響を受け、市役所が果たす役割は何かと、理念や目標などの研鑽に励みました。歴史や登山が好きなロマンチストでありましたので、これらも後年市政に反映する基盤になりました。
 大阪府会議員中は、大阪府の吹田市がターゲットでしたが、平成11年4月に市長に初当選した時から市民中心の市政を目指し市民参画、協働で新しい吹田市の自治の創造に取り組みました。2期目には協働に加えて教育で新しい21世紀の吹田を切り開く政策を打ち出し、3期目には協創を唱え新たな公共の創出を打ち出しました。そして自助・互助・公助の役割分担によるみんなで支えるまちづくりを市政の根幹に据え、日本伝統の日本の和の精神で地域住民の自治を作り上げてきました。「安全なコミュニティ」「安心の福祉・医療」「安定した暮らし・働き」の実現による安心安全の都市づくりにマニフェストの達成度は95.7%に達し、多くの市民からは高い評価と支持を受けておりました。全国的にも吹田市は注目され万博が開催されたまちでもあり利便性に極めて高く住みやすいまちとして全国に知れ渡っております。その一例が下記のとおりで、日本でも屈指の高い市としてその名を広めました。
 日本経済新聞の調査で
 平成16年 「行政サービス度(総合評価)」  西日本1位(全国10位)
 平成20年 「行政革新度(市民参加度)」   全 国1位(人口規模別)
 平成21年 「全国サステナブル度」     西日本1位(全国10位)
 平成23年4月で3期目が終了、阪口氏は上記のとおり充実した3期12年間を回顧する中で、達成感を感じておりました。阪口 氏は4期目に出馬するのか、否か、今回の選挙においては多選というだけでダメだという世論の中で逡巡を繰り返しておりました。しかし国立循環器病センターを吹田操車場跡地に移転、吹田市民病院も合体し最先端の医療ゾーンを創り日本だけでなく世界に冠たる医療設備を創造したいと熱望していたことや、千里ニュータウンの再生と吹田市の東部の整備など完成させたいとの強い思いを持っておりました。
 平成22年も後わずかな時期になっているにもかかわらず、いっこうに腰を上げない阪口市長に業を煮やした市民の支持者は、阪口市長に出馬宣言するようにと強く進言し、期待が広がっておりました。
従来から支えていただいた多くの諸団体から再出馬するようにとの強い意思表示があり又後援会のみならず市民の温かい支持が強く背中を押していただいたこともあって、平成22年度の12月末に4期目を目指す決意をしました。
 当時すでに出馬を表明していた候補者は、竜馬プロジェクト・吹田新選会から石川勝候補で、その後年が明けた平成23年早々に、維新の会から井上哲也候補が名乗りを挙げ、続いて共産党から正森かつや候補が出馬を表明し、4人で吹田市長選挙が争われることに成りました。
 実態は、現職の阪口候補と維新の会が押す井上候補との対決であり、マスコミをはじめ関心が高まり、橋下知事が推す維新の会の井上候補が支持されるのか、或いは過去3期12年間に亘って大きな実績を残した現職の阪口候補が勝利するのかが注目されました。
 人物・能力・理念に実行力などには阪口候補は井上候補を凌駕しており、現職の強みがあります。しかし橋下知事の肝入りで維新の会が支援する「勢い」がどうなるのか問題でした。
 直前にあった府議会議員の選挙では、大きく今回の市長選に影響を与える異変がありました。従来吹田市の4つの議席は、民主党、公明党、自民党に共産党の候補者が分け合っておりました。ところが今回は、維新の会の候補者は、吹田市には縁もゆかりもない無名の人物で、寝屋川市で生まれ枚方市で育ち当時は寝屋川市に在住しておりました。維新の会の刺客として吹田市に突然参入し、なんと41,276票でダントツのトップ当選を果たしました。他は公明党、共産党に続き民主党の候補者が当選しましたが、いずれも杉江候補の半分2万票あまりで、自民党は2万を少し上回りましたが涙を呑みました。
 橋下知事の理念で大阪都市構想の方針を表明し、それを実現するために府議会を自らの傘下にすべく、橋下ブームを巻き起こしていました。彼の行動に期待が集まって維新の会は過半数を制し、勢いのあることは紛れもない事実です。後の市長選と市議会選挙の際も市議会で吹田維新(維新の会とは無関係)と名乗っただけでの新人が11,443票を獲得し、2位の候補を5,587票を引き離す考えられない得票でした。吹田市の市議会選挙では1万を超える投票があったことは過ってなかったことでした。市長選を顧みると、前期の府議会議員の選挙は大阪府という橋下知事の世界で市長選挙は吹田市のボス首長を選ぶ選挙であります。したがって府議会選挙のような大きな橋下ブームというか、風は吹く訳はない、市民は賢明な判断をすると期待していました。
 阪口候補の事務局では、阪口市政3期12年の勤務評定というのか市民の審判を受ける立場でまな板の上の鯉の心境でした。今日まで、その政策は市民の信託を得て粛々と進めてきましたし、実績には高い評価を受け、理念実践力と今後の方針などには市民の理解は得られるものと強く確信していました。選挙戦が始まりました際には、市民の反応や評価などは、期待以上のものがあり、阪口候補の周りには押し上げる支援エネルギーを感じていました。
 一方気になるのは井上候補の陣営です。過って堺市での市長選挙で2ヶ月前に府職員を辞めた府幹部の方が橋下知事の支援を受け突然立候補、橋下知事はたびたび堺市に応援に駆けつけ、衆議院の選挙であんなに激しく対立した民主・自民と公明の政党が堺の市長選挙ではそれらがオール与党で現市長を支援するのは談合の偽りの選挙だと現市長を激しく非難しました。ただそれだけで橋下ブームというか「風」を吹かしました。選挙が始まりますと、支援者から報告があり、井上候補の選挙事務所は橋下知事の等身の2倍の全身写真をビルの1〜2階に飾り、他は、胸上のA3の橋下知事の写真で埋め尽くしておりました。井上候補の写真はなく比較的小さな字で井上哲也と名前が書かれておりました。また選挙ポスターにも橋下知事の写真があり、これは本人より小さな写真が刷り込まれておりました。これを見た瞬間に競争相手は井上候補でなく橋下知事との戦いであると判断せざるを得ない状況でした。堺と同様頻繁に橋下知事がどのような行動にでるかを見ておりました。
 当日は来ず、その後に阪急千里山駅の東にあるスーパーの前で夕方の5時から応援演説があると情報があり、信じられない状況設定でした。広くない道路が千里山駅から佐井寺に続く道沿いにスーパーがあり、その前に少し空地があり4mの道路がスーパーを頂点に東西に走る道に合流しているところで、スーパーの道の前は千里山公団住宅の立替工事中で鉄板で覆われておりました。
 夕方の5時に街宣車を止め応援演説にはありえない場所設定であり、デマでしょうと思ったのですが調べに行きますと事実だと判明どんな演説があるのか数人で参りました。
 5時から始まった演説では、初めに橋下知事は、私は過って吹田市民であったことがあります。今から30年前関大前のアパートに住んでおりました。小学校5年生のときです。妹と一緒にこの道を通って吹田市立千二小学校に通っておりました。私にとってここは懐かしいところなのです。と話し始め、民衆の関心を呼びました。そのとき、橋下知事がこの狭い場所に応援演説を設定した意味が分かりました。狭い場所ですから200人ぐらいの人が集まっていたでしょうか。民衆は何を話すか興味津々で出した。
話の導入に吹田の住人だったことを話し、思い出の詰まっている場所ですと話した瞬間聴衆は、一気に親近感を持ち後の話にすいこまれたものと思われます。さすがタレント弁護士でマスコミの人気番組で注目を集めただけあって、導入し展開の巧みさはさすがで話は巧みで聴衆を引きつけ魅力を持っていた。そして阪口市政の批判が始まった。吹田市は部長級の職員が多く、高額の報酬をもらっている。それに渡りという制度で管理職になれない人も渡りと称して管理職と同等の給与をとっている。高額の人件費は財政を圧迫している。是正しなければならない。私は(橋下知事)大阪府でそのような悪しき慣習を払拭して財政を黒字にした。なぜこのようになるかは、市長が労働組合から支援を受けているからである。(これは誤りで吹田市労働組合は他の候補者を支援している)
 また学力テストの公開をお願いしたのに吹田市長は強固に反対した確信犯である。なぜか分かりますか?もし公開して成績が悪かったら保護者は学校に抗議するでしょう、困るのは誰ですか?先生でしょう。教職員組合は、市長はを支持しているために市長は拒否するのです。
 これも誤りで吹田市は大阪府の中でも高い高いレベルですし、教育委員会が判断したことに市長は意を挟まなかっただけです。教育委員会は、学力は学力テストだけで評価するべきでない、総合力で教育基本法にある教育は人格の完成を目指していると市教育委員会が判断したためです。
 4月24日最終日に再度吹田市に応援に訪れ、数箇所で応援演説を行なった。確かに話は的が絞られハッキリと明確にしゃべり、歯に衣着せないその表現力に説得力には絶妙といってもよい。ただ中身は間違いで、アジテーター的要素が強く、耳障りはよいが果たしてどうなのか道筋は見えてこず、カリスマ性が一人歩きし大衆は疑いもせず信じ期待したものと思われる。大阪市長が指摘しておりましたようにポピュリストの色合いが強く頂点争いに終始するように思えてなりません。
 ただ肝心の井上候補者は財政改革、破綻しようとしている吹田市の財政を健全化する。そのために給与の引き下げなど削減し、市長の給与は30%カットし退職金も半額にし行政改革を進める。地元経済の維新、教育の維新を掲げたが、終始阪口候補の財政破綻・職員の厚遇などを徹底批判に終始した。集中的に批判をあびた破綻をきたした吹田市財政は、全くのデマで、財政問題の健全化は進み市民一人当たりの市債残高は大阪府の市町村内で40位、吹田市独自の福祉費は大阪府内で1位となっており職員数と人件費は着実に削減しており、持続可能な財政運営の確率の道筋はできております。市民病院の黒字化も実現、福祉の充実も府市内でNOワンであり着実に成果を上げている。
 2週間の選挙を分析すると、やはり橋下知事の発言や行動、マスコミをを通じて流れる報道の影響は否定できず、
選挙の結果は
  井上 哲也   54,662票
  阪口 善雄   45,881票
  正森 かつや  17,832票
  石川 勝     16,524票
 という結果に終わりやはり「橋下知事の維新の会の風」に浮動票がながれたことは事実であり、疑わざる現実である。
 阪口陣営では真面目に地域住民の自治を中心に心豊かな地域社会を協働・協育・協創に自助・公助・互助の題目で地域社会に連帯と連携の民主社会をつくりあげる。その詳細なマニフェストに市民の思考力が浸透しなかったものと深く反省しております。
 長引く不況、そして3.11の東日本大震災未會有の大地震に津波、それに伴って発生した原子力発電所のメルトダウン等まさに国難です。この閉塞感漂う現在の社会は、若者だけでなく就職難など生活不安は高まっている。先の見えない閉塞社会で政治に無関心であった人々が何とか突破口を開いてほしいという願いが橋下知事の歯に衣着せない、何事にも遠慮せずづかづか発言する雰囲気に呼応したものと思われる。
 野に下った阪口氏は、政治家としての市民として活躍したいと考えている。
 過って父上から教わった戦争の悲惨さ(父上は召集を受け海軍に所属、広島で被爆の体験を持つ)を平和に向ける政治を志し、府議12年、市長12年の経験を生かしたいと強く願っている。
 66年前、わが国は、太平洋戦争の敗北で日本の主要な都市や工業地帯は灰燼となり、大変な日本であった。その後の世界情勢も幸いして高度成長を成し遂げ数字だけは経済大国となった。しかし充実社会への道は、厳しく様々な矛盾や問題点が多発し厳しい世の中になった。その上今回の大震災、原子力発電所のメルトダウンと大変な問題が発生、政府の行動や社会の行動を見ていると、日本の民主主義はこれでよいのか、この国を立て直すには、英雄待望論でなく日本国民一人ひとりが経済学者ピーター・ドラッガーの提唱するマネジメントの世界広げる民主主義の再構築が必要ではないかと静かに思慮する毎日のようである。
 阪口氏の尊敬する陽明学の巨人安岡正篤は戦後の日本の総理を始めトップの指導者に大きな影響を与えてきた。一斉を風靡した田中角栄が政界を去るときに彼を惜しんで「わが国の前途を思いめぐらすとき私は一夜沛然として大地を打つ豪雨に心耳を澄ます」と彼の心境を読み引退の言葉になった。政治家は心の余裕が必要で心静かに思いにふけるこの言葉に今心酔している阪口氏の現状です。

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